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アタリ

貿易事務に10年従事し、派遣・契約・正社員を経験。 2歳の子をもつワーキングマザー。

「貿易事務という職に就きたいけど、どうやって会社を選べばいいの?」
募集要項の業務内容だけではいまいちよく解らないですよね。

100年以上の歴史をもつ専門職である貿易事務。
聞こえは良いし、なんとなく憧れる気持ち、わかります!

しかし、決して華やかな仕事ではないのが実情。
そしてどんな業種の会社で貿易事務に従事するか、それが自分の希望にあったものなのかということが大きく仕事の内容ややりがいを左右します。

派遣社員・契約社員・正社員で、3社で10年貿易事務という職についた経験から、これを選べば間違いない!という業種選びをお伝えします。

この記事を読めば、貿易事務職への就職、転職によくある「思ってたのと違う・・・」を避ける事をお約束します。

貿易事務お勧めナンバーワン業種

フォワーディング業務 (フォワーダー・NVOCC)

フォワーダー・NVOCCを一言でいうと、運び屋、兼、便利屋です。
お客様はメーカーや商社の物流部門で、取引先は船会社や航空会社がメインです。

お客様と船会社・航空会社の間にたって、輸出入に関する海外とのやりとりや、船会社とのやりとりをします。
お客様の要望に沿って、円滑にモノを運ぶのが最大のミッション。

私がフォワーディング業務を1番にお勧めする理由は、ここである程度の経験を積めばその後、どんな会社でもやっていけるスキルを身に付けることができるからです。

この業界、年齢やブランクは全く関係ありません、経験が全て。
子育てがひと段落ついた40〜50代のママさんもよく中途で入社してきていました。

私はフォワーダー・NVOCC業務に約8年従事しましたが、貿易事務の他の業種からも採用されやすいのがこのフォワーダー経験者なのです。
それだけフォワーダー・NVOCCでの経験というのは価値が高いと言えます。

フォワーダーでの経験は価値が高い理由3つ

1. 輸出入の全体像が見える
貿易に関わるほぼ全ての業者や企業とのやりとりが必要となるので、モノの流れと人(業者)の関わりがよくわかる。

2. 輸出入に関わる基礎知識に加え、トラブル解決能力が身につく
貿易にトラブルはつきもの。
トラブルが起こった際に、解決の主役となるのもフォワーダー

3. マルチタスクをこなす能力が身につく
国内外のやりとり、書類さばきを全て限られた時間の中でミスなく進めなくてはいけない

お仕事検索のキーワード

NVOCC 、フォワーダー、フォワーディング、輸出入業務、ブッキング、納期調整、顧客対応、輸出貨物の出荷・集荷手配・海外現地への出荷連絡、英文メールコレポン、、、等

ちょっと一言

他部署、関連会社、取引先、下請け業者、客先、自社海外支店、、、、など連携をとる相手がたくさん居るので、とにかく忙しいし、時間とタスクに終われる。
SかMかでいうと、圧倒的にMの人向き。
追い込まれた状況にこそ楽しさややりがいを感じ力を発揮できる人におすすめです。

みんな忙しく、時に連携が必要な事もあるので、女子同士の面倒ないざこざがない職場!

その他の貿易事務ができる業種3選

ここからは、そのほかの主要な業種3つ、商社・メーカー、船会社・航空会社、通関業者の特徴を解説します。

1. 商社・メーカーの物流部門 〜貿易事務界の華型〜

どこの商社やメーカーにも物流部門、海外とのやりとりをしている部署があります。

”モノ”の持ち主 = 荷主 であるのが、この商社やメーカーとなります。
商社やメーカーが輸出入する商品がなかったら、国際物流におけるその他業種の企業も仕事がないわけですから、貿易における主役と言えます。

商社やメーカーにおける貿易事務における業務3本柱は、”交渉”、”契約”、”受発注”です。
国際間での物の売買・契約に興味がある方には最もおすすめです。

商社やメーカーで貿易事務の仕事に就くと、その会社が扱う商品についてどんどん知識が深まります。
化学が大嫌いなのに、薬品を扱う会社に勤めるのは苦痛でしかありません・・・。
自分が好き!と言えるもの、興味が持てるものである物を扱う会社を選ぶと良いでしょう。

また、商社やメーカーであれば貿易事務の経験が少なくても、語学力と事務スキルがあれば挑戦できる可能性が高いのも特徴です。

お仕事検索のキーワード

商社、メーカー、資材調達、購買業務、書類作成(I/V、P/L、P/O)、L/C開設、買取、ブッキング、、、等

ちょっと一言

商社やメーカーにもお客さんはいるが、貿易、国際輸送においては常にお客様である立場なのが商社やメーカー。

フォワーダーに勤めていた時は、「商社やメーカーは常にお客様でいいなぁ」と思っていました。
華型ではあるけれど、貿易事務の細かい手順や、輸送に関する知識はあまり培うことはできないかも!?

2. 船会社・航空会社 〜絶対的存在〜

貿易において最もなくてはならない存在である船会社と航空会社。
彼らがいなかったら物を運びようがありません。

業務内容としては、お客様からのブッキングを受付けたり、書類を受け取ったり。
対外的な業務としては窓口業務が主流で、貿易事務の本筋とは少し一線を画した印象です。

船や航空機の貨物を載せるスペース管理や、船や航空機のスケジュールチェック、運賃の見積もり、港や空港との交渉、がメインの業務となります。

自社の海外支店とのメールおよび電話のコレポンは必須なので語学を生かしたい方にお勧めという点では変わりありません。

また、全くの未経験でも応募可能な職種もあるので、少しずつステップアップを考えている方へもお勧めです。

お仕事検索のキーワード

B/L発行、D/O発行、カウンター業務、スケジュール問い合わせ対応、外地との連絡・確認、英文メールコレポン、船積書類チェック、船荷証券作成・発行、ブッキング受付、スケジュール作成、レター作成

ちょっと一言

高嶺の花的なイメージ。
そして長年勤めているような女性が多い印象で、居心地は良さそう。

5時ぴったりに電話は繋がらなくなり、会社の設立記念日はど平日でも堂々、閉店しちゃいます。
仕事においても、受け身の印象。
同業他社への転職も多く、先月までA社に居た人が今はB社に居る、ということが頻発。

3. 通関業者 〜ちょっとお堅い〜

通関業者とは、通関業務を専門に請け負う業者のことをさします。

通関とは貿易に携わる上で避けては通れない、とても大切な部分。
滞りなくクリアしなければ、物が国内外を行き来することができません。

税関へ、輸出入する物を正しく申告することが通関業者の最大ミッションです。

主な業務は、通関申告書類の作成です。
システム化されていますので、税関へ申告専用のシステムに必要事項を入力する業務を指します。

輸出入するものの価格や量、分類される税番を正しくあてがって、関税や消費税を計算し、税関へ申告します。

税関から、申告貨物に対して要確認との判断が下れば、実際に港や空港の税関倉庫へ出向いて、貨物を開梱して検査するのに立ち会うこともあります。

通関業者への就職における最も大きな特徴は”通関士”という国家資格を持っていると有利という点です。

ですが、持っていなくても実際仕事にはつけます。
実情をいうと、通関士という資格がないと申告そのものができない決まりになっているものの、その資格所有者の名前で資格がない人も申告書を作成しています。

イメージでいうとちょっとお堅い印象です。
たくさんの書類や情報とにらめっこしつつ、通関業法はもちろんのこと、他法令や通達も理解していないといけないTHE 専門職です。

英語のメールやコレポン業務は、他の業種と比べると少し少ないかもしれません。

お仕事検索のキーワード

NACCS入力、通関書類作成、書類審査、税関申告書作成等のの手続き、税関への書類提出、貨物検査立会い、等

ちょっと一言

とても重要な部分を担う通関士ですが、その最大ミッションをクリアするためには関係各所へ色々要求をしないと行けません。
〇〇を証明する書類を出せ、写真を出せ、海外の支店へこれを確認してくれ、、、と各部署へ依頼をするのも仕事の一つ。

通関士はお客様の貨物を税関に対して正しく申告して無事に輸出入の許可を得るためにやっていることですが。
めんどくさいな〜〜と思われたり、言われる事もありました。。。。

凛とした態度で通関の仕事に誇りを持っていないとやっていけないですね。
唯一国の行政機関と直接に関わり合う事が求められる仕事ですから、本当に重要で責任重大な仕事なのです。

まとめ

貿易事務という仕事、よく聞きますがここに紹介した4つだけでもかなり違いがあることがわかりました。

今回は一番経験値を高められるという理由でフォワーダーをおすすめしました。
そのほかにも3つ、これから仕事を探すとした場合に主要な業種をそれぞれの特徴と共にご紹介しました。

貿易事務という大きな枠だけで就職や転職活動を進めてしまうと、ギャップが生まれてしまうことがあると思います。
業種でそれぞれ良し悪しありますが、あなたの好みや思考、将来設計にあう業種を選ぶ手助けになる事ができれば、幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。