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たけあら

たけあら

元編集者で15年間編集業務に携わる。家庭の事情で退職し現在2児の母。週に1冊本を読み、子育てに役立つか検証中。

子育ての悩みや不安を解消してくれる育児本、赤ちゃんがいる家庭なら聞いたことくらいはあるでしょう。
励ましや勇気をもらったり、いろいろな育児法を知るツールでもあります。

しかし育児本に振り回される育児になってしまうのも困りものですし、育児に関するツールは、口コミやネットなど他にもあります。
「本」としての育児情報は本当に必要なのでしょうか。

今回は、書籍の編集者として15年育児本に携わってきた私が、オススメの育児本を厳選してランキング形式にしました。

編集のプロの目線で「本」が育児にどうかかわるのか、デメリットも交えて紹介していきます。

育児本、育児書のメリット3つ

赤ちゃんに絵本を読んであげると情緒が発達したり、語彙力が増えたりすると言われています。

大人にとっての本も同じです。
ある調査によると、大人の勉強時間は1日に6分との結果が出ています。

子供に読書をすすめる一方で、大人は本を読まなくてもよいのでしょうか。

最近はネットでの情報収拾ばかりで本を読まなくなった方にもわかりやすく、育児本のメリットをまとめてみました。

育児本のメリット1.赤ちゃんの発達の目安がわかります

育児本では、専門家が発達の段階をしっかり監修し、体系立てて掲載しています。

体の成長だけではなく、発達にあわせた遊びや生活リズムなどの情報も一緒に得ることができます。

はじめての子育てでは、赤ちゃんがどういう発達で成長していくのかまったくわからないので、手元に本があるだけで安心感を得られます。

ネットは新しい情報を得られますが、誰の意見かわかりくく本当のことなのか不透明な場合もありますよね。

育児本のメリット2.子育てのノウハウや工夫を深く知ることができます

一般的に本は200ページほどありますので、タイトルにあるテーマについて200ページも深堀りすることができます。

そもそも発達を知ったうえで本当に知りたいのは、よりよく育てるにはどうすればよいか、ということです。

本ではその知恵の部分が特に深く書かれているので、理論を知ったうえで実践することができます。

もちろんネットでも子育てをよりよくする工夫や知恵をたくさん見ることができますが、ネット記事はほとんどが3ページほどです。

記事をたくさん読んでも深い考えにはつながりにくいのです。

育児本のメリット3.自分にない子育ての視点が持てます

本になるくらいユニークな子育てをした、一般ママの本は専門家とはまた違うおもしろさがあります。
ここまでやっていいんだ!とか、これはマネできないな、なんて驚きがたくさんあり刺激的です。

少し前3兄弟を東大に合格させたママ、佐藤亮子さんの本「灘→東大理Ⅲ」の3兄弟を育てた母の秀才の育て方」が注目を集めました。

そのメソッドを深く知りたいと思った人はネットやテレビでの知識だけではなく、本も読んだことでしょう。

佐藤亮子(著)
図解「灘→東大理III」の3兄弟を育てた母の秀才の育て方

1,540円 (税込)

育児本、育児書のデメリット2つ

もちろんいいところばかりではありません。
デメリットもしっかりと考えてみましょう。

育児本のデメリット1.育児本に振り回されてしまう

発達段階を書いたものが特にそうなのですが、わが子が目安に合致していないと悩んでしまう場合もあります。

マニュアルどおりじゃないと不安がつのるものです。

育児本のデメリット2.育児本はとっさのときに利用できない

もし赤ちゃんが突然吐いてしまったとき、対応がわからないとき、とっさにスマホで調べたことはありませんか?

そうなんです、本は緊急時に読むことができないのです。

「こんな症状のときにはこうしよう」と書いてあるものは暗記やイメトレをしていなければほぼ利用できません。
そういった本を購入してしまうと「育児本は役に立たない」と感じることでしょう。

どれを読めばいいのか悩む?それならたくさん読みましょう!

メリット・デメリットをご紹介しましたが、結局どの育児本を読めばよいのでしょうか?
答えは「たくさん読もう!」です。

自分にあったものを探す意味もありますが、それ以上に多読をすると、ふと「これは別の本にも書いてあったな」と思う瞬間があります。
本当に大事なことは、表現を変えて別の本にも出てくるのです。

その体験を積み上げることで育児に大事なこと、つまり「子育ての軸」が見えてくるようになります。

育児本を多読すると見える「子育ての軸」

本をたくさん読むと必要な情報を取捨選択する力が身につきます。
たくさん読むと情報が多すぎて混乱してしまうという意見も見ますが、それはまだ読み足りないからです。

自分で取捨選択したからこそ自分が信用ができる「子育ての軸」となり、ブレることはありません。
これこそが育児本を読む最大のメリットです。

育児本選びの肝!大きな2つのジャンルを理解しよう!

  1. 赤ちゃんや幼児の発達の指針と育て方が書いてある育児マニュアル系
  2. 子供を賢くするための知恵が書いてある知育教育系

育児本は大きくこの2つにわけられます。
それぞれくわしく紹介しますので、自分がどの系統の情報を知りたいのか考えてみましょう。

1.赤ちゃんなどの発達の指針と育て方が書いてある育児マニュアル系

赤ちゃんの成長を月齢単位で紹介するなど、発達にあわせたお世話方法が書いてある「たまごくらぶ」「ひよこくらぶ」系育児本のことです。

成長の目安はどの本を読んでもそれほど変わりはありませんが、「トイレトレーニング」「入眠方法」「おむつはずれ」などテーマによってわかれている場合もあります。

漫画で描かれたものもあり、時間と心に余裕のない新米ママでも気楽に読めるものが多いです。

2.子供を賢くするための知恵が書いてある知育教育系

子供の能力発達のためのトレーニング方法などを、教育の専門家が書いた本です。

カリスマ主婦やカリスマ塾経営者などが書いた○○メソッドのような個性的な本も多くあります。

赤ちゃんに文字を教える本や幼児に英語教育をする本など、早期教育を扱うものが人気です。
最近はお受験の本も注目されています。

海外の翻訳本は表現が難しい場合もあるので、まずはもとから日本語の本をえらびましょう。

子供の年齢があがるにつれ、よりママさんたちの精神的な支えになりうる系統です。

編集のプロが選ぶおすすめの育児本・育児書10選

私が読んで「役に立った!」と思った育児本を、それぞれの系統から全10冊ご紹介します。

子育て中は何かと忙しいので、できれば出産前に読んでおくのがおすすめですが、いつ読んでも遅いことはありません。

今回はお世話マニュアル系を3冊、知育教育系を7冊選びました。
是非参考にしてみてください。

お世話マニュアル系①「0~4歳わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児」

サリー・ウォード/著
「0~4歳わが子の発達に合わせた1日30分間「語りかけ」育児」

2,420円 (税込)

毎日30分、赤ちゃんと目をあわせてお話しすることで、子供の能力を引き出す方法を紹介しています。

「ことばは子供への最良の贈り物」として、幼児の「聞く力」と「注意を向ける力」に注目した育児本です。

0歳から4歳まで、月齢ごとの発達も書かれているのでこれ1冊で赤ちゃんのお世話がカバーできます。

400ページもある分厚い本ですが、子供があてはまる月齢の8ページほどを読んでいくので読書の負担はありません。

この本は私がはじめての子育てで一番読み返した本で、とても役に立ちました。

お世話マニュアル系②「赤ちゃん語がわかる魔法の育児書 (カリスマ・シッターがあなたに贈る本) 」

トレイシー・ホッグ/著
「赤ちゃん語がわかる魔法の育児書 (カリスマ・シッターがあなたに贈る本) 」

2,200円 (税込)

なぜ赤ちゃんが泣くのか、というのをちょっとした泣き声のニュアンスとともに教えてくれるカリスマベビーシッターの書いた本です。

著者は「赤ちゃんの言葉がわかる」そうで、赤ちゃんの言葉を知りたくて読みました。

結局「よく赤ちゃんを観察しようね」ということなのですが、それが大事ということを深く知ることができました。

2人目の子は、そのニュアンスが赤ちゃんの感情としてよくわかったので、読んでおいて損はないです。

お世話マニュアル系③「カリスマ・ナニーが教える赤ちゃんとおかあさんの快眠講座」

ジーナ・フォード/著
「カリスマ・ナニーが教える赤ちゃんとおかあさんの快眠講座」

1,430円 (税込)

いわゆる「ねんねトレーニング(ねんトレ)」本で、書かれたとおり実践したら赤ちゃんの夜泣きがなくなって本当にびっくりしました。

1時間単位でするべきことが具体的に書かれているのでそのとおりにすればよく、できなかったときのフォローも載っているので気軽にトライできます。

1人目はねんトレをまったくしなかったせいかとても大変だったので、同様の苦労をしている方にはぜひ読んでもらいたいです。

月齢が早いほうが楽に効果が出るので、できれば出産前に読んでおきたい1冊です。

知育教育系①「パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学」

池谷 裕二/著
「パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学」

1,760円 (税込)

脳研究者、池谷裕二さんの子育てエッセイです。

0歳から4歳までの成長を脳科学研究者の視点から書かれていて、普段なにげなく見ている子供の行動、ひとつひとつに意味があることが書かれています。

子供のわがままを感じたときにこの本を読むと、成長の過程なんだと怒りもおさまります。

根拠として論文が添えられているのも納得しやすく、この本がある時代に子育てできたことが本当にラッキーです。

300ページもありますが、月齢ごとに書かれているのであてはまる4ページほどだけ読めばよく、読書の負担はありません。

知育教育系②「0歳から6歳までの 東大に受かる子どもの育て方」

河村京子/著
0歳から6歳までの 東大に受かる子どもの育て方

1,320円 (税込)

育児本を2000冊読んだことから学んだ独自の育児法で、テレビなし、夕方6時に寝かしつけ、5時起きで毎朝ジョギングなどかなりおもしろいです。

著者は「夢をかなえる子に育てる」を目標とし、自分の子育てに対する「軸」を持つことでブレない育児ができるという考えをもっています。

悩み→結論、という「マニュアル」ではなく、悩み→育てたい子供像→思考→行動という子育てに対する意識づけが参考になりました。

これを実践したら東大に受かる!というわけではなく、あくまでエッセイ的な本なので学力アップや科学的根拠を期待するとちょっと違うかもしれません。

知育教育系③「子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方」

明橋大二/著
子育てハッピーアドバイス 大好き!が伝わる ほめ方・叱り方

1,026円 (税込)

漫画がたくさん入っているのでとても読みやすく、子育ての息抜きとしても楽しめる本です。

子供との接し方で悩んだときに読むと、頭がすっきりします。

育児本の定番的な本で、パパ向けやおばあちゃん向けなど、シリーズがたくさん出ています。

知育教育系④「夫は犬だと思えばいい。」

高濱 正伸/著
夫は犬だと思えばいい。

1,320円 (税込)

「夫が話しを聞いてくれない」事象について、花まる学習会の代表、高濱正伸先生が書いた本です。

たくさんの保護者と接した経験から、夫婦関係と学業の成績についての関連性などが書かれています。

育児本ではないかもしれませんが育児にとってパートナーの存在は大きく、とても参考になったので紹介してみました。
男女の違いについてがとても腑に落ち、なぜママたちは井戸端会議をするのか理解できました。

他に「小3までに育てたい算数脳」など、多くの実践的な教育系育児本を執筆しており、どれもやさしい書き方でわかりやすいです。

知育教育系⑤「下剋上受験 ―両親は中卒 それでも娘は最難関中学を目指した!」

桜井信一/著
下剋上受験 ―両親は中卒 それでも娘は最難関中学を目指した!

858円 (税込)

ドラマ化もされた中学受験日記本です。

話題になったことで手にとったのですが、親子で一緒に勉強する姿に、思わずまだ赤ちゃんのわが子の未来を想像してしまいました。

早く子供と一緒に勉強したい!と、子供の成長にモチベーションがあがる1冊です。

知育教育系⑥「僕が14歳でカナダ名門5大学に合格できたわけ」

大川 翔/著
僕が14歳でカナダ名門5大学に合格できたわけ

1,540円 (税込)

「ザ・ギフティッド 僕が14歳でカナダ名門5大学に合格できたわけ」で一躍脚光をあびた大川翔くんの18歳の本です。

天才少年の話を読むと、うちの子も…なんて妄想をついついしてしまいます。

お母さん大川栄美子さんが子育てについて書いた「9歳までに地頭を鍛える! 37の秘訣」もあわせて読むとより深く楽しめます。

大川 栄美子
9歳までに地頭を鍛える! 37の秘訣

1,430円 (税込)

知育教育系⑦「スタンフォード大に三人の息子を合格させた 50の教育法」

アグネス・チャン/著
スタンフォード大に三人の息子を合格させた 50の教育法

1,540円 (税込)

アグネス・チャンさんはテレビのイメージで勝手に天然ぽいと思っていたのですが、しっかりした賢い女性でした。

仕事をこなしながら愛情をこめて子育てしている姿に頭がさがります。

まとめ

10冊の中で気になったものはありましたか?

ここでランキングにした本は、ネットで誰かがおすすめしてくれて、それで手に取ったものがほとんどです。

ネットは広い知識を得るにはとても優れたツールです。
ネットと本、どちらもいいところを活用して、育児ライフを充実させたいですね。