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大林紅子

大林紅子

生まれも育ちも宮城県。 野菜ソムリエ歴10年の地元ライターで「宮城の食」のプロ!

仙台に着いて「さあ何処へゴハンにしよう」と思った時にどんなお店が浮かびますか?
「せっかく仙台に来たんだからとりあえず牛タンとずんだ餅…いやずんだシェイクかな」
そう思う方がほとんどだと思います。

しかし!仙台平野を中心とした宮城県エリアは米どころで有名ですし、地元農家が大切に守ってきた伝統野菜だってあるのです。
そこで、地元を知り尽くした野菜ソムリエの私が「仙台の地場産野菜を気軽に味わえるランチ」ベスト5及び「仙台ならではのカフェ」ベスト3を厳選しましたのでご紹介いたします。

野菜が食べたいならここ!仙台市のおすすめランチベスト5

地元産へのこだわりや独自の調理方法が際立つランチのお店を厳選しました。
ランキング形式でご紹介します。

1位:農家レストラン「もろやファームキッチン」

仙台に住む専業農家の人たちが丹精込めて作った四季折々の野菜を地元仙台で食べようというコンセプトをもとに、家族みんなではじめたお店です。

ランチメニューは日替わりの800円から。
またコースで旬の野菜を堪能できる1,600円のコース(前日までの予約が必要)メニューもおススメです。

自家栽培の野菜はなんと150種類!

代々農業を営んでいた「もろや」は当時使っていた屋号です。
現在も広大な畑で仙台の伝統野菜「仙台白菜」を作り続けているほか、料理に使う野菜やお米もそのほとんどが自家製です。

オーナーの家族全員が役割分担をして年間約150もの品種を育てています。
まさに野菜を知り尽くしたプロですね。

主婦の目線で作った野菜のための特製レシピ


オーナーは野菜の持つ特性を熟知したうえで漬物やサラダ、煮物など、どうすればいちばん味が引き立つかを考えながら野菜作りの段階から手掛けています。
むかし畑の野菜を直接配達していた頃、配達先で調理法を相談されたのがきっかけで、オリジナルのレシピを考えるようになったそうです。

以前、熱々に素焼きした仙台伝統野菜の「曲がりネギ」が1本まるごとお皿に乗っている「曲がりネギのグリルサラダ」を頂きましたが、見た目のインパクトもさることながら、口に入れると中心部分がトロトロでほのかに甘く、カリカリじゃがいもを乗せた柚子ドレッシングとの相性も最高で感動の美味しさでした。

限定弁当もある!ゲットする方法は?

毎週水曜と金曜、仙台の繁華街にある百貨店「藤崎」の地下1Fでもろやの月替わり旬菜弁当が限定15個で販売されています。
お値段は648円とリーズナブル。

本店でも売っていないこのレアなお弁当は販売日の午前11時頃に入荷します。
確実にゲットするならお昼前がおススメです。

私も店頭で見つける度に購入しているんですが、このお弁当に季節を問わず必ず入っている「高野豆腐」がとにかく美味。
揚げ煮という独特の調理法でふっくらと煮られた高野豆腐は冷めてもジューシーで旨みがあり「高野豆腐ってこんなに美味しかったんだ!」と感動必須ですよ。

こんなお土産品もあるんです!「自家製生キャラメル」


農家レストランですから、もちろんお土産用の野菜も販売しています。
しかもキャラメルまで手作り。

畑で採れた大豆から作ったきな粉を使った自家製生キャラメルはもちろん無添加無着色。
程よい甘さで口の中ですうっと溶けてしまいます。

「もろやファームキッチン」の店舗詳細、アクセス

宮城県仙台市若林区荒井字東87-2 ヤマカビル2F(地下鉄東西線 荒井駅すぐ)
電話:022-288-6476
ランチタイム11:00~15:00(L.O14:00)
カフェタイム15:00~17:00
定休日:毎週月曜日、第1・3・5日曜日
http://www.moroya-farm.com/

2位:自然派ビュッフェレストラン「六丁目農園」


県内産の野菜中心のバラエティー豊富な料理が楽しめるビュッフェ。
形が悪いというだけで規格外になってしまった野菜たちを丁寧に料理したオリジナルレシピが楽しめます。

気になるお値段は大人1,790円、シニア(65才以上)1,550円、小学生1,150円など年齢層に沿った価格設定で、予約時間によって90分、120分、150分の食べ放題です。
中でもおススメの時間帯は11時15分からの90分コース。

開店直後なので手つかずの料理が勢揃いしています。
それでは次にこのお店のおすすめポイントを説明していきます。

ランチのみで営業中。予約必須の人気店。そのワケは?


店内には宮城県内の野菜をメインに使った料理が勢ぞろい。
手作りにこだわったバラエティー豊かな料理を思い切り楽しめます。

しかも全てが嬉しいビュッフェスタイルなので、好きなものを好きなだけ存分にお召し上がりください。
料理によっては無くなったタイミングで別のメニューが補充されることもあるのでこまめにチェックしてくださいね。

ビュッフェの品数がすごい!


契約している農家さんから新鮮な野菜を仕入れる地産地消のお店です。
最近は自営栽培も始めたそうです。

食材同士の相性や食べる方の健康を考えながら毎日なんと60~70種類のメニューが提供されています。
色鮮やかな創作料理が並んだ姿は見ただけでも壮観ですよ。

その中でもおススメのメニューは「玉ネギのロースト」。
岩塩を敷いたホイルに丸ごとの皮つき玉ネギをのせて焼いてあります。
味付けはパセリとオイルとピンクペッパーのみ。見た目のインパクトもありますが、口に入れると素材の甘さに驚きます。

「六丁目農園」の店舗詳細、アクセス

宮城県仙台市若林区六丁目字南97-3 東インター斎喜ビル1F
予約専用電話 022-287-7350(受付時間 9:30~17:30)
   (年末年始を除く年中無休)
https://apple-farm.jimdo.com/六丁目農園/

3位:匙(スプーン)を意味する「café saji」

「料理のひとさじひとさじが食べた人の明日の健康を作る」をコンセプトにしたお店です。
四季折々の花と緑に囲まれながら頂くヘルシーなランチとスイーツは心も体も満たしてくれますよ。

おススメの体に優しい日替りランチは950円。

食後のデザートには、外はサックリ、中はふっくらの焼き加減が絶妙な「ワッフル」(734円)がおススメ。
手作りのはちみつレモン(410円)も見逃せません。

ガーデニングのお店の敷地内で安心安全なランチ


広大な敷地に木々や花の苗木が見渡す限り続く店内の奥に、トレーラーハウスを利用して作られたお店があります。

「人それぞれに食べたいものや過ごしたい場所、時間があります。その匙加減に合わせて自由にご利用ください」

というオーナーの心遣いはランチメニューのほか、店内のいたるところに溢れています。

作り手の温もりを感じるメニュー


玄米ご飯と具だくさんのお味噌汁に加えて、野菜中心の和食のおかず7品が付いた「日替わりランチ」は、常に30品目以上の食材を使ったバランスの取れたメニューが魅力です。
気取らず親しみやすい味付けは、例えるなら「お母さんの味」でしょうか。

隣には北海道のこだわりアイスクリームのお店も

隣接する「あいすの家」のアイスクリームは北海道産の良質な牛乳を使った全品無添加。
種類も豊富でランチの待ち時間やデザートに最適です。
無添加アイスは溶けやすいので、手渡されたらすぐ食べることに集中してくださいね。

café saji」の店舗詳細、アクセス

cafe saji(カフェサジ)
宮城県 仙台市青葉区上愛子蛇台原62-5 ガーデンガーデン内
営業時間11:30~17:00(ランチタイムは11:30~14:30)
定休日 木曜(冬季休業あり)
http://www.nigachi.co.jp/shop/saji/

4位:フルーツバイキングがある「ITAGAKI TBCハウジング店」


こちらは青果店がベースという珍しいお店です。
おススメのランチメニューは1,200円から。メイン料理を一品選ぶことができ、食べ放題のフルーツバイキングがついています。

平日は半予約制、土曜・日曜と祝日は完全予約制なので気を付けてくださいね。
それでは次にこのお店のおススメポイントをご紹介していきます。

「ITAGAKI」は元々仙台の老舗果物屋さん


ITAGAKIは明治30年に仙台市で創業して以来、現在は市内に18の店舗を持つ老舗の青果店です。
地元で「いたがき」の名前を知らない人はいなのではないでしょうか。

仙台駅地下にある「Fieldいたがき」にあるジューススタンドは誰もが気軽に立ち寄れる人気店です。
果物専門店ならではのラインナップで冠婚葬祭やお使い物にも欠かせないフルーツのプロフェッショナルのお店なのです。

野菜と果物をふんだんに使ったビタミンたっぷりのメニュー


このお店のランチは、ヘルシーな野菜のメニューに加えて豊富なフルーツを頂けるのがポイント。

フルーツは果実の殆どが水分ですから見た目ほどカロリーはありませんし、美肌効果のあるビタミンなどがたっぷり含まれています。

フルーツバイキングで美味しいフルーツを存分に堪能してくださいね。

「ITAGAKI TBCハウジング店」の店舗詳細、アクセス

宮城県仙台市宮城野区榴岡三丁目1-25 TBCハウジングステーション仙台駅東口
電話:022-257-2790
営業時間:10:00~18:00(LO17:30)年中無休
ランチタイム10:00~16:00(LO14:30)
http://www.itagaki-jp.com/shop/16/

5位:和と洋が楽しめる「農家イタリアン 米屋十米衛」 

本格イタリア料理と農家産直のコラボレーションが新しい、昨年(2017年)6月に出来たばかりのレストランです。
宮城の新ブランド米を主役にした「農家イタリアン」のオーナーシェフは、フィレンツェで「ハプスブルグ家公認料理人」の称号を得たことで知られる、仙台では腕利きの料理人として有名な方です。

宮城のブランド玄米で作る和×洋の本格イタリアン


宮城県登米市で生まれた玄米「金のいぶき」を使った料理が自慢の本格イタリアンランチ。サラダやリゾット、デザートのタルトなど多彩なメニューが全て県内産の食材で作られています。

おススメの金のいぶきのリゾット(1500円/ハーフ800円) は具材のだしをしっかり吸った玄米にオリーブオイルとチーズを絡めてあり、玄米の仄かな甘さが感じられます。

玄米のプチプチとした食感も魅力。
リゾットだけでも具材の異なる8種類のメニューがあり「次はどれにしよう」と考えるだけでもワクワクしてきます。

先輩のシニア野菜ソムリエが常駐

米屋十米衛では宮城の食材を使って本場イタリア仕込みのシェフが腕を奮います。

金のいぶきを使用した「ぷちぷちの金のリゾット」、おしゃれな「米粉の三日月ピッツァ」など宮城の海の幸や山の幸をふんだんに使った料理が並びます。

お店にはベテランの野菜ソムリエとワイン専門のソムリエが揃って常駐しているので、素材などについて専門家のお話が聞けるかもしれません。

仙台駅東館にテイクアウト専門店もオープン

時間が無くてお店にはいけないけど気になる!という方には仙台駅構内でテイクアウトが出来ます。
ラインナップも充実していますので、一度覗いてみてはいかがでしょう。(エスパル東館2F 青の葉デイリーマーケット内)

「農家イタリアン 米屋十米衛」の店舗詳細、アクセス

宮城県仙台市若林区清水小路5-6 エステート五ツ橋1F
電話022-281-8455
営業時間 ランチ11:00~14:30(L.O. 14:00) ディナー 17:30~23:00(L.O. 22:00)

仙台市周辺のおすすめのカフェベスト3

1位:空間の演出と景観も満足できるカフェ「le Roman」


店内は壁一面がぐるりとガラス張りの開放的な空間が印象的。
日本三景松島の絶景を眺めながらゆっくりとした時間を過ごせるよう、窓際にテーブル席が並べられています(席は窓側以外にもあります)。

この角度から松島湾を見おろせる場所はおそらくここだけでしょう。
更にお正月の初日の出に合わせて元旦の早朝から営業してくれる貴重なお店です。

松島の絶景を眼下に一度は食べておきたいタルトタタン

このお店でずっと愛され続けているスイーツがあります。
それが季節限定の「ロマンのタルトタタン」(550 円、10月~3月頃)。

自家製のパイ生地の上にほどよい酸味を残した焼きりんごがこれでもか!と乗っています。
見た目よりもかなりさっぱりとした味わいなので、いくらでも食べられます。
他にもイチジクを赤ワインで煮込んだコンポートがたっぷりの「いちじくのパフェ」(700円)も大人の味わいでおススメですよ。

「le Roman」の店舗詳細、アクセス

宮城県松島町松島犬田10-174
電話022-354-2778
営業時間11:00~17:00(L.O.)
定休日:火曜
https://www.facebook.com/cafeloin/

2位:広瀬川を眺めながら「広瀬川」を味わえる「珈琲まめ坊」 


まめ坊は東北大学の片平キャンパスに程近い、広瀬川沿いのスペシャルティコーヒー専門店 です。
「スペシャルティコーヒー」とは、国際基準によって品質を評価された豆のこと。

木の香りが漂ってくるような店内のカウンター席の目の前には大きな窓があり、ロケーションも抜群。
屋内に居ることを忘れてしまうような広瀬川沿いの四季を眺めながら、まずは定番ブレンド「広瀬川」(600円)をどうぞ。

300円でおかわりも出来ます。
またケーキやトーストは単品ではなく飲み物とセットになっています。
例えばチーズケーキだとプラス200円、季節のケーキはプラス300円といった具合です。

「広瀬川」、「片平」。ネーミングから伝わる地元愛

まめ坊の定番ブレンドには、軽やかな味わいの「広瀬川」、苦みとコクのある「片平」とお店のある場所にちなんだ名前がついています。

他にも季節の限定ブレンドがあり「さくら」や「あやめ」等季節を感じる名前がついています。
カップもオーナーが集めた50種類以上のコレクションの中から自由に選べるので、その日の気分にマッチしたカップをセレクトしてくださいね。

オーナーがカップの由来を直接教えてくれるというオプションもついています。

「珈琲まめ坊」の店舗詳細、アクセス

宮城県仙台市青葉区米ケ袋1-1-12
電話022-738-8066
営業時間12:00~19:00
定休日 木曜日(祝日は営業)

3位:カフェが併設されたガラス工房「シーダーギャラリー」

宮城の温泉地として有名な秋保地区。
日本三大瀑布といわれる秋保大滝の手前に一軒のガラス工房があります。

里山の自然を楽しみながら四季折々使えるガラス器の提案をしているという「ガラス工房 尚」に併設されているギャラリーでは、ガラス作品に囲まれながらゆったりとしたカフェタイムを過ごすことが出来ます。

おススメはミルクに直接茶葉を入れて煮だしたほんのりシナモンの香りがするトルコティー(600円)と季節ごとに変わる自家製の本日のケーキ(300円)です。

秋保大滝近くのギャラリーカフェってどんなところ?


秋保にはガラス工芸などの工房が沢山ありますが、ギャラリーとカフェが併設されているのはこの「尚」さんだけ。

本物のガラス作品に囲まれて頂くスイーツはもちろん作品と同じ器で出てきます。
ケーキは全て奥様の手作りで、卵も果物も地元秋保産のもの。

メニューは季節によって変わり、夏は自家製のグレープフルーツピール、秋は干し柿が出てきたりと地元感満載なのです。

「シーダーギャラリー尚」の店舗詳細、アクセス

宮城県仙台市太白区秋保町馬場字丸山12-1
TEL 022-399-5728(Gallery)
営業時間 10:00~17:00(冬期~16:00)木曜日定休
http://glasssho.jp/cafe/

まとめ

いかがでしたでしょうか。
よく「仙台って何でもありそうだけど行ってみると何もない」と言われますが、本当にそうでしょうか。

食通で知られる仙台藩祖伊達政宗は、味噌まで城下で作らせていたほど「食」に関心がありました。
そんな殿様の下で宮城の伝統野菜が生まれ、今も受け継がれています。

「ずんだ餅」も確かに仙台名物ではありますが、ちょっとだけ視線をずらしてみると、素朴な仙台の食文化がいろいろ見えてくると思います。
まずは一度、今回ご紹介したお店に行ってみてください。オーナーと話したり、新鮮な野菜料理を食べたりしているうちに「これはここでしか味わえない」ものが発見できるかもしれません。